9月中旬になりますが、まだまだ残暑が厳しい毎日ですね。
さて、保護者の方の参加について、チェリー幼稚園の方針を書かせていただきます。
当園では今年度より役員を廃止しました。
昨今の共働き世代の増加によって、役員の負担が大きかったり、役員の仕事によって親子の時間が削られ本末転倒だったり、様々な廃止理由が挙げられます。
役員の仕事とは別に保護者の方の参加に関して今年度、嬉しかったことがあります。
それは、子どもがしていることに保護者の方も参加してくれたことです。
例えば、年中組ではゴリラが叩いているのは胸なのか、お腹なのか疑問が挙がったときに、ご家庭で調べていただいてゴリラの写真を持ってきてくれたり、また各クラス親子で一緒にザリガニ釣りを楽しんでいただけたり、大変嬉しかったです。
ご家庭によって教育方針は様々ではあると思いますが、園としては保育者が子どもたちに知識や技術を一方的に教えるのではなく、子どもたちが興味・関心を持っていることに対して保育者は保護者の方と一緒に子どもたちを支えながら後押しする存在になれたらと考えています。
役員の仕事は無くなりましたが、園の活動を行う上で保護者の方のお力が必要な場合があり、それはお手伝いという形で助けていただいております。お手伝いにご参加いただいた方々感謝申し上げます。
先日、近隣の小学校の先生と幼小連携についてお話させていただく機会がありました。
(幼小連携は以前から行っています)
そのことに関連して、在園の方、入園を検討している方に「遊んでばかりいて小学校へ行っても大丈夫?」という疑問があると思いますのでこちらのcherryblogで説明させていただきます。
まず始めに幼稚園は以下の2つのことを前提に教育を行っています。
・小学校の先取り教育を行う場所ではないこと。(幼稚園は小学校の予備校ではないこと)
・小学1年生のことだけではなく、生涯学び続ける基盤を作ること。
以上のことを踏まえて、小学校の主な課題をチェリー幼稚園はどう捉えているか
<45分間座って授業を受けること>
45分座っていても、勉強に興味を持っていなければ学習能力が高いとは言えません。
そのため、幼稚園では45分間(もしくは長時間)座っていられるようにする訓練はしません。普段の生活や遊びの中でとことん遊び込み、集中力や知的好奇心を育むことで積極的に授業参加する姿勢に繋げられたらと考えています。また、遊びの種類によっては座りながら遊びに取り組むことも大切にしています。乳幼児期(チェリー幼稚園では4年保育から)から生活や遊びを通して自然に座る習慣をつけることに繋がります。
<ひらがなが読めること、ある程度書けること>
幼稚園では文字への興味や関心を育む場所であります。幼稚園での生活や遊びを通して、ひらがなが読めた方が便利だな、ひらがなが書けた方が楽しいなという必要性を子ども自身が感じられるようにすることが大切だと考えています。例えば、文字が書けたら友達に手紙を贈ることができる、ひらがなが読めれば絵本が読める、保育室にある歌詞や掲示物も読めることができる。このような遊びを通して学ぶ環境を構成することが保育者の仕事の1つだと考えています。
<話を聞くこと、自分の意見を言うこと>
幼稚園ではサークルタイムを設けています。それは、先生が一方的に子どもに伝える時間ではなく、子ども同士で話し合う場(クラスによって保育者が書記となったり、場を回したり、話を引き出したりと様々)です。話題は幼稚園での生活や遊びの中で頑張ったこと、困ったこと、気付いたこと、作ったものなど多岐に渡り、必ずしも結論に結びつかないこともあります。ただ、結論を出すことは重要ではなく、子ども自身が友達の話を聞く中で考え、自分の意見を言う。他人を受け入れつつ、自分も表現し、主張する力を身に付けて、問題解決能力を育てたいと考えています。
※必ずしも全員話すことを目的にしてるわけではありません。その子どもなりの話すタイミングがあると考えています。また、お話することが苦手な子どももいます。その場合は保育者が代弁したり、フォローしたりします。
遊びの中には多くの学びと子どもの育ちがありますので、また次の機会にお伝えいたします。
チェリー幼稚園の行事の考え方について少し書きたいと思います。
今までチェリー幼稚園では多くの行事を子どもに経験させることを大切にしてきました。
ただ、数年前に改定された日本の幼稚園の基盤となる幼稚園教育要領には次のように書かれています。
「行事の指導に当たっては、幼稚園生活の自然の流れの中で生活に変化や潤いを与え、幼児が主体的に楽しく活動できるようにすること。なお、それぞれの行事についてはその教育的価値を十分検討し、適切なものを精選し、幼児の負担にならないようにすること」
行事に向けた練習などが多かったり、厳しかったりすると幼児の負担になるでしょうし、行事の数が多くても、常に時間に追われ、子どものアイディアを活かす余裕がなくなります。そのため、行事の意味を改めて考えて精選することが大事なことになります。
例えば列を揃えるや演技を揃えるなどの一律の厳しい練習(鼓笛や運動会、お遊戯会などの一部の練習)を乗り越えても子どもの学びは少ないです。10個の行事を子どもたちをただ楽しめるように大人が用意したり、大人が子どもたちに沢山練習させて見ている方を喜ばせるような派手さだったり、完璧さを求めるより、5~7個の行事を子どもが主体となり、「こうしたい」「ああしたい」と子どものアイディアを保育者が拾って作り上げる過程を大切にした行事の方がはるかに学びが多いし、価値のある行事になると考えています。
子どもの教育の場として、行事のために生活するのではなく、生活のための行事であるために、日々活動や行事の再検討を行っております。
そのため、去年は行っていた鼓笛が無くなったり、行事や活動の一部の内容を変更する場合がありますのでご了承ください。
本日、始業式を行いました。
先週の夏期保育を経て、本格的に2学期が始まります。
今学期もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、先日、保護者の方から子どもたちが紙類やテープなどこんなに沢山使って大丈夫ですか?という旨のご意見をいただきましたので、こちらの
cherryblogで改めて説明させていただきます。
まず最初に園の方針としては、折り紙などの紙類、テープ類は1日~枚など制限したりはしていません。また、子どもが目的を持って取り組んでいれば、多く使っても構わないと考えています。
主な理由は、
1.子どもが「やりたい」「作ってみたい」と考えたり、閃いたりしたときに、制限したり後回しにしていると子どもの「やりたい」気持ちが無くなってしまうことが考えられます。「やりたい」ときに、その場にあることが子どもの工夫や発想を活かすことに繋がります。
2.子どもが試行錯誤する経験を大切にしたいと考えています。絵を描いたり、何かを作ったりするとき、最初から子ども自身が納得するものができるとは限りません。そのため、失敗することを保障して、多くの素材(加えて時間も)を用意することも重要だと考えています。一見すると「これは無駄使いだな」「もったいないな」と思うことも、よく見ていると子どもにとっては試行錯誤の一部だったりします。
3.子どもが思う存分遊び込める環境を構成することが結果として工夫すること、考えること、集中すること、協力し合うことなど多くの子どもの育ちに繋がります。
以上が主な理由です。
もちろん、子どもが物を大事にするように、無駄使いしないように折り紙は1人2枚までと制限することも大切という考えは十分理解できます。
そのため、当園では保育者が一方的のルールを作るのではなく、作ったものを放置したり、道具を片付けていない場合など保育者が使い方に疑問を感じれば、クラス内で共有し話し合う場を設けるようにしています。
子どもたちが目的を持って、取り組んでいればそれを応援したいし、目的もなく素材をいじっていれば、遊び方を提供したり、目的を一緒に見つけてあげたらいいなと思います。